光殺菌治療

a-PDT

光殺菌治療

光線力学療法と呼ばれる薬を使わない光による殺菌システムです。

早期ガンの治療などで行われる「光線力学療法 PDT」に由来します。
医科では20年以上前から保険適用されています。
残念ながら歯科では自由診療となります。

メカニズム・治療法

歯周ポケットなどの細菌を光に反応する性質のある青色の染色剤で染め、そこに特定の波長の赤色光を照射することで、数ナノ秒というごく短い時間「活性酸素(一重項酸素)」が発生して細菌を破壊します。

従来の半導体レーザーとは異なり歯周病の原因菌を効率的に除去できる波長を生み出すのが最大の特徴です。

  • 術前の歯周ポケット
  • キュレット(歯石を取り除くための器具)や超音波スケーラーを用いて歯根面の機械的な歯周ポケット内の汚染物質の除去を行う
  • シリンジを用いてポケット内に色素溶液を投与し、色素の取り込みを待つ
  • 細いチップをポケット内に挿入して光照射を20秒間行い、歯周ポケット内の光化学殺菌を行う
  • 治療後の歯周ポケット

「a-PDT治療」とは?

光を用いた殺菌治療:抗菌光線力学療法

歯周病の現状

25歳以上の約80%の人が歯周病と言われています。歯周病は歯茎や骨に大きなダメージを与えるため、進行すると歯が抜け落ちてしまいます。

人の口の中には約500種類以上の細菌が生息しています。その中の数種類の菌が歯周病を引き起こし炎症が起こり始めます。従来、歯周病菌に対する処置方は抗生物質の投与が一般的でした。しかし、抗生物質は細菌に対し非常に有効ですが、長期使用により耐性菌が生産され、あまり効かなくなってしまうのです。

a-PDT治療の流れ

a-PDT(antimicrobial PhotoDynamic Therapy)は光線力学療法とよばれる薬を使わない光による殺菌システムです。

当院ではa-PDT治療に「PACT300」システムを使用しています。熱による侵襲もなく、痛みを伴いにくい治療法です。

  1. バイオジェルを歯周ポケットに注入
  2. 無熱レーザーを20秒間照射
  3. 死滅した菌を洗浄

ほとんどの場合、痛みや腫れなど1回~3回の処置で改善します。改善後も予防の為に定期的な検診をおすすめします。(※治療回数には個人差があります)

 

1歯(舌側・頬側 2箇所)

 

2,500円
保険適応外のため自費治療になります

a-PDT治療の特徴

  • 薬を一切使用しない
  • 耐性菌が発生しない
  • 副作用が起こりにくい

a-PDT治療の原理

バイオジェルとよばれる染色液で歯周病菌を染めます。このバイオジェルは光感受性物質と言い、光を吸収すると化学反応が起こり、一時的に活性酸素を大量に発生させることができます。この活性酸素(一重項酸素)は細菌を殺す特徴があります。

a-PDT治療の有効性

a-PDT治療は殺菌が重要な多くの歯科処置に有効です。

適応症

  • 歯肉炎、歯周炎
  • 根管治療
  • インプラント周囲炎
  • ヘルペス
  • 口内炎
  • カンジダ症

禁忌症

  • 無カタラーゼ症のある方
  • 光線過敏症のある方

インプラントのメンテナンス

自分の歯と同じようにインプラントにも歯周病菌は発生してしまいます。せっかく埋めたインプラントもメインテナンスを怠ると周りの骨が溶けてしまい抜けてしまうことがあります。一生使い続けるため定期的にa-PDT治療によるクリーニングをしましょう。

矯正中の歯周病治療

矯正治療でワイヤーを装着中は、ブラッシングが行き届きにくくなり歯肉炎等の症状があります。定期的なa-PDT治療で衛生的な口腔内環境を保ちましょう。

診療内容

お口の健康と身体の健康とは密接な関係があるため、生涯を視野に入れた治療を行っていくことが大切です。

治療終了後の定期的な検診が非常に大切です。

当院では歯周病予防・虫歯予防のための口腔ケアに力を入れています。